[Book] 読書メーター2010年1月分まとめ

先月分のまとめです。1月はほとんど新しい本を買わず、積読本の消化に努めました。エッセイとか、軽いものばかり読んでいますが、裏で重いものをちまちま読み進めているからであります。結局読み終わってないけど…。
それにしても、読書量の相変わらず少ないことよ。じっくり読むことも必要ですが、速読「も」ある程度はできるようにならないとダメですなぁ。
1月の読書メーター

読んだ本の数:9冊

読んだページ数:2899ページ



ゲームホニャララゲームホニャララ

ひと癖もふた癖もあるエッセイ。ゲームが好きだけど最近何だか遊ぶのが辛い、そんな複雑な心境が内容に表れていると思った。ゲームを斜めから見るような視点は新鮮で、時折目の覚めるような思いを抱いたりする。古いゲームを「現役として」楽しむ、これもまた、ゲーム愛のかたち。映画で云う「ある視点」部門の作品賞という感じでありました。ただの偏屈と言えば偏屈ですが、個人的には、ひょうひょうとした文体も相まって、味わい深い。イラストも雰囲気とよく合っていると思います。

読了日:01月06日 著者:ブルボン 小林



文学部唯野教授のサブ・テキスト (文春文庫)文学部唯野教授のサブ・テキスト (文春文庫)

唯野教授への100の質問的な読み物や、筒井へのインタビュー、ポスト構造主義的「一杯のかけそば」分析という名の壮大なネタ等。コンテンツに関連性は無いので、題名通り副読本という感じでしょうか。内容は非常に面白いです。かけそばはかなりの爆笑レベル。朗読会とかでやってくれないだろうか。あと、最後の鼎談(河合隼雄鶴見俊輔と著者)で、ニセ留学の件を誤読していたくだりが興味深かった。読者として「正しい」誤読だと思う。

読了日:01月08日 著者:筒井 康隆



風の聖痕RPGリプレイ - 深淵の水龍 (富士見ドラゴンブック 28-2)風の聖痕RPGリプレイ - 深淵の水龍 (富士見ドラゴンブック 28-2)

同名小説のTRPG版のリプレイ。原作は未読、TRPG版も未プレイですが、何かのネタになればと思って読んでみたところ、マスターの恐怖描写が独特でとても面白かった。不可思議な擬音を使ってたりして、何だか怖い。意外な収穫でした。システムはダブクロ、デモパラの亜種って感じで、特に気になる点はなし。シナリオの内容も、原作の未読者にとっては特筆すべきところは無いかなという感じでした(そもそもそんな人、対象にしてないか)。

読了日:01月10日 著者:三輪 清宗,F.E.A.R,山門 敬弘



筒井歌舞伎 影武者騒動 (新潮文庫)筒井歌舞伎 影武者騒動 (新潮文庫)

「筒井歌舞伎」3篇収録。表題作は登場人物の正体が「実は…」「実は…」でクルクルと入れ替わり、大混乱のまま突っ走るスラップスティック。脳がウニになる…。その他2篇は、分量としてはこちらの方が長くて、読み応えたっぷりでした。こちらも要素としては「影武者」的ではある。面白かったです。これ、実際に上演されたことあるのかなぁ。

読了日:01月14日 著者:筒井 康隆



ジーザス・クライスト・トリックスター (新潮文庫 - 筒井康隆劇場)ジーザス・クライスト・トリックスター (新潮文庫 - 筒井康隆劇場)

脚本集。どれも非常に面白くて素晴らしい出来。不謹慎さ丸出しが爆笑を誘う表題作。ドロドロとした疑心暗鬼の渦に巻き込まれて背筋が寒くなる「人間狩り」。狂言回しが狂人なので話が無茶苦茶になる「三月ウサギ」が特に良かった。実際に演劇化されたものが観てみたいです。

読了日:01月15日 著者:筒井 康隆



狂気の沙汰も金次第 (新潮文庫)狂気の沙汰も金次第 (新潮文庫)

新聞連載(夕刊フジ)の随筆集。100本以上収録。35年以上前のエッセイですが、どれも面白かった。毎日連載してたのかこれ、すごいな。当たり前のような命題の中で、時折、毒舌が炸裂するのが快感。明らかにネタに困ってるなぁという日もあるのですが、それを逆手に取って面白おかしく仕上げてしまう(替え歌だけで一話持たせたりとか)のは、やはり素晴らしいです。文章は端正、だからこそ、内容の過激さは狂気を帯びるのである。山藤章二のイラストも力作揃いです。

読了日:01月20日 著者:筒井 康隆



脱走と追跡のサンバ (角川文庫 - リバイバルコレクション エンタテインメントベスト20)脱走と追跡のサンバ (角川文庫 - リバイバルコレクション エンタテインメントベスト20)

変な世界に迷い込んだ「おれ」が脱走するぞ的な話、かと思いきや、その奇妙に歪んだ世界こそが現実の縮図であるかのような、酩酊感をともなうマジックリアリズム的小説。後半に至るにつれ、加速度的に混沌が深まり、頭が痛くなるほど…。読むのにえらい時間がかかってしまった。でも面白かった。最後に思い切り前衛的に振り切って、ある意味分かりやすく締めたところも彼らしいなと感じる。

読了日:01月26日 著者:筒井 康隆



趣味は読書。 (ちくま文庫)趣味は読書。 (ちくま文庫)

ベストセラーめった斬り書評集。面白おかしい語り口なので、楽しく読めます。豪快にネタバレしているのも気持ちよい。ベストセラー化の分析がまさに一刀両断なので、本の「ねらい」とものの見事にハマる人々を完全に笑い飛ばすこともできず、身につまされる部分も若干あり…、という感じでした。斎藤さんは最近だと、勝間和代をどう評しているのか、気になります。もうどこかでやってるかな?

読了日:01月28日 著者:斎藤 美奈子



読者は踊る (文春文庫)読者は踊る (文春文庫)

書評集。テーマ別に結構な数の本を読み込んだ上で書いているので、説得力がありますね。毒舌というか、世間の評判とか売行きに対して冷水を浴びせかける、いわゆる「社会学的」な考察が面白いです。公の場で「王様は裸だ」とちゃんと言ってくれる人という感じ。

読了日:01月30日 著者:斎藤 美奈子


読書メーター