藤田和日郎 / 邪眼は月輪に飛ぶ

藤田和日郎がスピリッツで短期連載した作品です。全1巻。すべて連載で読みましたが、面白かったので買い直しました。再読だけどやっぱり良かった。
視線を交えただけで(例えテレビ越しだったとしても)その人間を一瞬で死に至らしめるミネルヴァの梟とそれを追う狩人の話。設定からして無茶苦茶ですが、その梟が東京都心を飛び回ります。つまり大虐殺です。序盤からその画力でぐいぐい引っ張ります。この辺りからすでに私、ミネルヴァの目をまともに見ることができなくなっております。怖すぎて。そこに政治的な思惑とか、人間の思いとかが入り乱れて、とても読み応えがありました。当初の予定から連載が2回ほど伸びたのも、興が乗って筆が止まらなくなったんだろうなと、思う。最後もうまくまとまっているし、大満足の内容で、非常に面白かったです。
余談ですが、Wikipedia の解説が手が凝ってて面白いです。写真つきで。ネタバレですが。
邪眼は月輪に飛ぶ - Wikipedia
彼は現在、モーニングで連載をしていますが(『黒博物館スプリンガルド』)、こちらも序盤からかなりの画力を発揮しており、これからも期待しています。長期連載に向けた「引き」のようなモノが今のところ見当たらないのが気にかかるけど。

邪眼は月輪に飛ぶ (ビッグコミックス)

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