デスメタルさんぷらー

http://www.arcryte.com/マタンゴスさんからいただいたデスメタルお中元を聴きました。なんか初心者向けらしいので。
1も2もなく「メタル」とつく音楽をさくっと敬遠している私ですが、最近聴いてる音楽について「これメタルだね」みたいに言われることが多くて、あれひょっとして私って、メタル聴けるようになってるのかしら、などという幻想のもと、こちらを聴いてみたわけです。
で、デスメタルっていうか、メタル、意外と抵抗なく聴けました。デス声っていうのも、ああ、こういう楽器があってもいいんじゃないですか? くらいな感じで。絶対デス声苦手だろうなーと思っていたので、不快さをあんまり感じることなく、逆に愉快痛快でケタケタ笑っちゃうのが多かったのが意外でした(いいのか、これで)。メタルボーカルは、逆にハイトーンの方が苦手なのかもしれないですね。
一番良かったのは Cynic で、これは曲展開とかも変な感じで面白かったです。あと最初の3曲の迫力はすごいですね。聴いてるこっちの息が詰まります。Sadist とか Amorphis とか Sentenced の壮大さとデス声のバランスが面白い。Luciferion のラストがオーケストラになるところが意味分からなくて笑えた。
まあでも「思っていたよりも聴けたし、悪くなかった」っていう部分を抜け出すことはなかったですし、積極的に聴こうという気にはまだならないですわ。メタル的な曲構成や、ギターリフとか高速ドラムといったパーツも含めて、そういうところに、全然はまれない。バンドの区別つかないし、どこがいいとかもよく分からないです、悲しいことに。私は根がパンク、ニューウェーブな人間だと思っているので、上手いとか早いとか仰々しいとか、そういう要素はどーでもいーわという風に感受性が閉じてしまうようです。あとヘヴィロックというかハードコアヒップホップみたいな縦ノリは、リアルに吐いてしまうくらい苦手なので、それも。今回の頂き物にはそういうのは無かったので良かったですけど。そういう意味では、あんまりその辺が出てくる前の、90年代前半辺りの方が聴けるのかもと思った。
今の音楽って、色んな音楽性の折衷というか、それこそぐちゃぐちゃとかき混ぜた上で吐き出されてくるモノだと思っていて、そこにはメタルもプログレもパンクもニューウェーブも入ってくると思うのですけど、私は逆にその混沌とした接点としての音楽に惹かれているのであって、そこから遡ってみた時、メタルは上記のような感じだし、プログレはリズムが平坦で落ち着いてて面白くないという印象だしで、やっぱりなんか違うなぁと思ってしまうのでありました。まあもともと、ニューウェーブもパンクも、気がついたらディスクガイドの後半(オルタナティブとかアヴァンギャルド)に分類されるようなモノばかり聴いてたみたいですし、そんなお前がニューウェーブを語るなとか言われそうですけど。
ただ、そんな私でも、Mastodon なんかはかなり聴けましたし(特に新譜は結構お気に入り)、メタル的な音楽に対する拒否反応みたいなのが減ってきていることは確かなようです。お中元も、以前なら絶対、10秒と聴けてないはず……。そんな感じで、いつか目覚める日がくるのかなーと思いつつ、今日はこの辺で。ありがとうございました。