ファウスト

雑誌なので、こちらへ感想を書きます。今更ですけれども。全部読みましたが印象に残ったものを書いていきます。
舞城王太郎ドリルホール・イン・マイ・ブレイン
九十九十九の方向性のまま勢いで書かれた作品といった趣でした。好き嫌いを超越してすごい。読むと非常にパワーを消費します。疲れた……。
佐藤友哉「赤色のモスコミュール」
ちょっと舞城テイストが入った、いつものユヤタンだったのである。ダメダメなのが好き。この後かっこよく飛翔したらかっこいいのだろうけど、それをユヤタンに期待していいのか、悪いのか、する気があるのか、このままがいいのか。それは分かりません。
西尾維新新本格魔法少女りすか
意欲作だけど内容自体は微妙、という感じでしょうか。魔法云々に加えて、随所に盛り込まれたアイデアとか試み(心視)は、ミステリーを書いたということも含めて面白いのですが、謎自体に衝撃とかがなくて、どうにもこちらのテンションも上がりませんでした。
清涼院流水インタビュー
これ読んでたら、彩紋家事件とかものすごく読みたくなってきました。何か、いつもくだらないくだらないと思いながらつい買ってしまうという、彼の中毒性が垣間見えたような気がします。読んだ後がっかりするところまで想像できます。読みたい読みたくない。
飯野賢治「ロスタイム」
いやぁこれはひどい。私が高校の文芸部で部誌の編集長をやっていたとして、部員がこんな作品を書いてきたら没にしますよ。という感じなのですが、一周回ってなぜか妙にはまってしまいました。感覚が狂ったか。あと、内容がまたベタな感じで、歪ませ方もベタベタで、無邪気な人なんだなぁとあらためて思った次第です。

滝本竜彦の作品は読んだことがないのですが、トークセッションを読んで、ぜひ読みたくなりました。ナチュラルにダウナーな人の書く小説ってどんなものなんだろうと興味津々です。
東浩紀は相変わらず共感できる部分が多いです。まず大塚英志から入っている時点で私はすんなり受け入れられるということなのかもしれません。続きが読みたいです。
私もギャルゲーとかやってみようかしらんとか思いました。
思い付くままにつらつらと書いてみました。
全体的な印象ですが、ノベルスサイズでフォント変えたりデザインをいじると、ごちゃっとしたイメージになるのでは、とか思いつつも、それが勢いを象徴しているなぁなどとも思いました。実質ひとりで編集したということもあるでしょうか。それと、インタビューも小説もひっくるめて、全部似たような空気を感じたりもしました。世代ということなのか、編集長の力なのか、それはわかりませんが、前者であったとするならば、ファウスト賞の募集制限が多少意味を持ってくるのかな、とも思いました。
そんな感じで明日はファウストフェスティバルに行ってきます。