ニューロ!

今、ウィリアム・ギブスンニューロマンサー』を読んでいるんですが。
私、この本は何回か挫折しているのです。訳文のせいなのか分からないのですが、とにかく文章が読みづらくて物語が把握できずに、つらくなって投げ出してしまう。基本的に本を途中で投げ出すことはしないんですが、この本だけはどうしてもダメで、しばらくたって読んでみても、すぐにまた封印してしまうということが続いたのでした。世間では名作の誉れ高い作品ですし、どうしたことだろう、と悩んだものです。それでも私は、TRPGなどでサイバーパンクの世界観に慣れ親しんでいますし、彼の後作『ヴァーチャル・ライト』や『あいどる』は中々面白かったものですから、いつか分かる日がくるだろう、と思いつつ、最近読書傾向がSFモードに入っている勢いで、久しぶりに引っ張りだしてみました。
それで読んでみたのですが、今回も半分くらい読んだところでやっぱりきつくなって、どうしたらよいのか分からなくなってしまったので、もう一度最初から読み直してみました。そしたら、するすると頭に入ってくる、面白いじゃないか、という感じで興奮。今までまったく頭に入ってこなかった物語の輪郭がはっきりしてきて、ページを捲るのが純粋に楽しい。多分、くせのある描写や、サイバーパンク的な世界観・小道具、他作品がそこかしこで元ネタにつかってる箇所など、細かい部分に意識がいきすぎていて、全体を捉えきれなかった私が悪いのかなぁと、思っています。情報過多でオーバーフローしていたのかもしれません。という感じで、今とても面白く読んでいます。
そういえば、SFなどで、2回繰り返して読むと劇的に印象が変わることってよくあるんでしょうか。私はグレッグ・イーガン順列都市』で同じ体験をして以来、わけ分からなかった作品は2回読むようにしています。
最後に、ギブスンについて書いてある良ページを発見したのでリンクさせていただきます。
http://www.na.rim.or.jp/~majio/blist/books/book13.html

ニューロマンサー (ハヤカワ文庫SF)

ニューロマンサー (ハヤカワ文庫SF)

あとぜんぜん関係ないんですけど、GLAY に「ニューロマンサー」って曲がありましたよね。何かのカップリング。頭のいかれたニューロな曲だった記憶があります(良い意味で)。