The Beta Band

レイヴの力じゃ〜


だいぶ前に読んだのですが、『レイヴ力』という本で、鶴見済がこのようなことを言っていて、今でも何かあるたびに思い出します。
以下引用。


たとえばこの間、元ボ・ガンボスの“どんと”が死んで、いろんな雑誌で特集してたけど、あれ、ウソだと思った。だって、ボ・ガンボスあたりは好きだったかもしれないけど、その後はみんな、あの人の音楽なんか聞くのやめちゃってたんじゃん。
(中略)
っていうか、彼自身は活動してたけど、みんな自分から見捨てたはずなんだよね。「死んだ」って聞いた途端に、悲しくなるわけない。その時点で本人的には死んでるんだ。
ベータバンドの解散というニュース *1 を見たときにも、上と似たようなことを思いました(人の死と、バンドの解散を同義に考えるのはまずいかもしれませんが、特に商業的不成功が理由の解散だと、どうしても結び付けてしまいます……)。私は彼らの熱心なリスナーではなくて、1st アルバムを持っているだけであり、最近は聴いていませんでした。聴かなかった理由なんて、特にないんです。嫌いなバンドではないのに、たまたま、聴きそびれていただけなのです。でも、そんな中途半端な状態で、こうしたニュースを目にすると、悲しい気持ちになりつつも、ひどい罪悪感に襲われます。何か言いたいのに、何も言えない状況。だからといって、慌てて大騒ぎしても、何の意味もない。嘘くさい。自分にイライラするのです。
でもとりあえず、彼らのアルバムを聴こうと思います。特別な感情なしに、淡々と。何かを考えるのは、そのあとにします。