読書メーター2010年8月分まとめ

例によって今月もすでに後半ですが、先月分のまとめです。
上遠野浩平の未読本をリスト化して、つぶしていってます。私のライトノベルは彼で止まっていると言っても過言ではない。あとはニャル子さんしか読んでませんし…。ラノベだからと、特に意識しているわけではないのですが、シリーズがずっと続いているものは、何となく手を出しづらいです(まあブギーポップもそうですが…)。ガイド本片手に、いくつか漁ってみようかしら。

8月の読書メーター
読んだ本の数:11冊
読んだページ数:3239ページ


機械仕掛けの蛇奇使い (電撃文庫 (0916))機械仕掛けの蛇奇使い (電撃文庫 (0916))
一冊読み切りファンタジー。キャラとかストーリーとか、全体的にとてもバランスよくまとまっていて、さっくり読めて普通に楽しめました。殺竜シリーズもそうですが、上遠野さんのファンタジー風味な小説は、個人的に結構好きかもしれません。こういう感じの作品、他にもあるかしら? 読んでみたいです。
読了日:08月03日 著者:上遠野 浩平



ダブルクロス The 3rd Edition リプレイ・デザイア(2)  残影の妖都 (富士見ドラゴン・ブック)ダブルクロス The 3rd Edition リプレイ・デザイア(2) 残影の妖都 (富士見ドラゴン・ブック)
2巻。相変わらず極端な性格で突っ走る素敵なキャラ達、その「関係」に楔を打ち込んで揺るがし、考えさせるようなシナリオ。これぞダブルクロスという感じで、とても面白かった。ギミックを凝らしつつも分かりやすい戦闘も、よく出来ていると思います。お互いの欲望とか対立が前面に出たお話は、最後、ダイス運もあって思わぬ(最悪な?)方向へ。続きが楽しみすぎる。
読了日:08月06日 著者:加納 正顕,F.E.A.R.



ダブルクロス The 3rd Edition リプレイ・ジェネシス(4)  創世のメモリアル (富士見ドラゴン・ブック)ダブルクロス The 3rd Edition リプレイ・ジェネシス(4) 創世のメモリアル (富士見ドラゴン・ブック)
完結。これまで、頓痴気な NPC だけが面白く、シナリオやマスタリングに対してはかなり不満があったのですが、最終巻はうまくまとまったような感じで楽しめました。プレイヤーが本筋も脱線もかなり盛り立ててた成果かなと思います。最後にしっかりまとめ上げたコウのロールプレイは、流石のひとこと。ヒロイン像を演じきったあやめとか、裏方として支えた瞳も素晴らしかったです。神月先生の暴走裁判所はもうワケワカラン。
読了日:08月11日 著者:伊藤 和幸,F.E.A.R.



ビートのディシプリン〈SIDE3〉 (電撃文庫)ビートのディシプリン〈SIDE3〉 (電撃文庫)
ビート君の試練第3話。このシリーズ、さくさく読めて、テンポが良くて、盛り上がりもちゃんとあって、キャラもたくさん出てきて、雑誌連載がかなり良い方向に出た感じですね。上遠野さんにしては珍しいスピード感という気もしますが、普通に面白いです。
読了日:08月13日 著者:上遠野 浩平



聖☆おにいさん(5) (モーニングKC)聖☆おにいさん(5) (モーニングKC)
もはや元ネタが分からない…。でもネタ連発を控えつつ、前巻辺りから出てきていた、キャラの魅力で読ませる方向性を推し進めた結果、内容が落ち着いてきたような気がします。ルシファーとカンタカが良かったです。このまま長期政権化するかしら。
読了日:08月16日 著者:中村 光



冥王と獣のダンス (電撃文庫)冥王と獣のダンス (電撃文庫)
かなり前の作品ですが、読み逃していたことを後悔中。戦場のボーイミーツガールな分かりやすいお話ですけど(第08MS小隊みたいだなと思った)、上遠野さんが、ブギーポップとは違った内容の話を、電撃で初めて出すにあたって、かなり力を注ぎ込んだような気がします。全体的に駆け足気味ながら、人物やガジェットに対するきめ細かい設計が感じられ、大変面白かったです。ここから色々と膨らませることで、間接的に他の作品へとつながっていくのかなという感じがする。
読了日:08月16日 著者:上遠野 浩平



ビートのディシプリン〈SIDE4〉 (電撃文庫)ビートのディシプリン〈SIDE4〉 (電撃文庫)
ビート君の試練、完結。色々な伏線らしきものはちっとも回収されぬまま、ビート君とカーメンにぐいっとフォーカスし、すかっと爽やかに終わったなーと思って満足してたら、最後に凪のターンで唖然呆然、ヴァルプルギスへ続く、みたいな感じでした。ビート君の冒険譚も、上遠野サーガの氷山の一角に過ぎなかったということか。そこも含めて、面白いことは面白いですが、ちょっと切ない。
読了日:08月17日 著者:上遠野 浩平



僕は天使の羽根を踏まない (徳間デュアル文庫)僕は天使の羽根を踏まない (徳間デュアル文庫)
思春期にガチでハマッた摩陀羅神話。これで事実上の幕引きと知りつつ、怖くて遠ざけていたのですが、ようやく読んだ。かなり駆け足気味ではあるものの、普通に終わらせていました。麒麟や二天童子、犠牲獣との関係とか、これまでの神話群よりもかなり単純化したような感じで、分かりやすいと同時にあっさりしていて物足りなくもあったけど。大風呂敷を広げまくった挙げ句に途中で投げ出され、放置プレイされまくっていた頃が懐かしい。もうあの日々は戻ってこないのですね(戻ってこなくていい)。でも、天使編だけは最後まで読みたかったな。
読了日:08月19日 著者:大塚 英志



タビリエ 金沢・能登・北陸 (タビリエ (18))タビリエ 金沢・能登・北陸 (タビリエ (18))
お世話になりました。
読了日:08月23日 著者:



ロスト・メビウス―ブギーポップ・バウンディング (電撃文庫)ロスト・メビウス―ブギーポップ・バウンディング (電撃文庫)
ビートのディシプリンのまっすぐな展開を味わった後だからか、話は結構展開していったものの、いささか回りくどさを覚えてしまいました。この焦らしとスカした感じが、昔は気持ちよかったような気もするのですが。織機さんと蒼衣君にスポットが当たりすぎて、ブギーな群像劇っぽい味わいが弱かったからかもしれません。
読了日:08月27日 著者:上遠野 浩平



ブギーポップは笑わない Boogiepop Phantom〈1〉―TVシリーズシナリオ集 (電撃文庫)ブギーポップは笑わない Boogiepop Phantom〈1〉―TVシリーズシナリオ集 (電撃文庫)
10年近く前のアニメ脚本。当時、何話か見た記憶アリ。1つの事件を12人(12話)の視点から追った内容で、原作の群像劇っぽい味わいが、よく出ていると思いました。同じシーンが異なる視点から何度も出てくる重なり具合が気持ちいい。あちこちに挿入された注釈で、よりその辺が分かりやすくなっております。よく出来ているなぁと素直に感心しました。
読了日:08月31日 著者:村井 さだゆき,水上 清資,野尻 靖之



読書メーター

[Book] 読書メーター2010年7月分まとめ

先月分のまとめです(また忘れてた…)。先月はあまり本を読んでいませんので、少なめです。例年、夏は脳が沸騰しているので、こんな感じ。
7月の読書メーター

読んだ本の数:6冊

読んだページ数:2304ページ



天下繚乱RPG天下繚乱RPG

超時空時代劇RPG。先日やってみた。文化が花開いた化政時代(1800年頃)に、時空を超えたフリーダムな設定を詰め込んだ世界観が楽しいです。まさに豪華絢爛て感じ。システムは SRS で安心設計。データ面ではアルシャードよりも高いラインでバランスを取っているような印象で、より手軽に遊べる気がします。またやりたい。

読了日:07月04日 著者:小太刀 右京,協力:F.E.A.R.



シャングリ・ラ 上 (角川文庫)シャングリ・ラ 上 (角川文庫)

池上永一。森林化した東京と巨大建造物というビジュアルイメージが鮮烈でした。文体は平易で読みやすく、アクが強くて過激なキャラも分かりやすい。しかし、上巻はあまりノれなかった。スピード感のある大きな展開と、むっちり密度の高い描写や目一杯詰め込まれたアイデアとの相性の問題か、テンポが悪かったように感じた。部分的には目の覚める箇所が多々あれど、全体的な印象はイマイチ。しかしこれは、500頁にも及ぶ大いなる助走にすぎなかったのです。というわけで下巻へ。

読了日:07月05日 著者:池上 永一



シャングリ・ラ 下 (角川文庫)シャングリ・ラ 下 (角川文庫)

アトラス侵攻からはノンストップ。上巻で溜まりにたまったモノが一気に爆発したかのような展開に、思い切り引き込まれました。準主役級のキャラがどんどん暴走し、やられてはまた現れるゾンビ状態になってからは、いささか食傷気味の感もありましたが、そこも含めてドギツい味わいを堪能した。過剰でキツめだけどどこか乾いてて、却って清々しさすら感じさせる文体も好みですし、炭素経済やテコノロジーから果てはオカルトまで、沢山のアイデアに満ちていて面白かったです。

読了日:07月09日 著者:池上 永一



3月のライオン 3 (ジェッツコミックス)3月のライオン 3 (ジェッツコミックス)

桐山君が思い上がりをカチ割られた後、次の一歩を踏み出す感じで普通に面白かったです。カチ割り役の島田八段がぐんぐんかっこよくなっていくので、よけいに盛り上がったのだと思います。

読了日:07月19日 著者:羽海野 チカ



オン・ザ・ロード (河出文庫)オン・ザ・ロード (河出文庫)

読むのにすごく時間がかかったけど、これがもう目が眩むほど面白かった。無軌道な若者達が繰り出すイカれた行動からにじみ出る、刹那的な快楽性が異常に高くて、読んでいる間は無茶苦茶に気持ちよく、一方で読むそばから内容をどんどん忘れ去っていってしまう。後に残るのは、熱に浮かされたような不思議な高揚感と、過ぎ去ってゆく後ろ姿に漂う少しの哀しさ。素晴らしかったです。尚、旧訳も既読でしたが、全体的な印象は変わらないものの、より瑞々しい表現が増えたような気がする(細かいところは前述のとおりよく覚えてないけど…)。

読了日:07月26日 著者:ジャック・ケルアック



ゆるやかな風の王立海軍 Replay:りゅうたま (integral)ゆるやかな風の王立海軍 Replay:りゅうたま (integral)

第二シリーズは船旅。前作同様、雰囲気はのほほんと、しかしバランスはカツカツで厳しく、という感じで読み応えありました。個人的にマスターの演出が大好きで、何か喋る度に笑ってしまう。NPC 活き活きとしすぎだから。PC のキャラもよく立っていますし(前作よりも配役の面で良いバランスではないかと)、今回も名シリーズの予感です。期待。あとカバー裏が素敵すぎるゴブニャ〜。

読了日:07月28日 著者:著:岡田篤宏/テーブルトークカフェDaydream



読書メーター

[Music] フジロック10覚え書き

今年も3日間行ってきました。メモ程度の覚え書きです。後でちゃんとしたのを書くかも書かないかも。

  • 1日目。
  • 到着したらチケット引き換えの行列が出来てて焦る。時間通りに入れない! いつもこんなに並んでたっけかな…。
  • 入場ゲートをくぐった直後、スーパーフライのワールドカップが聴こえてきて、不覚にもテンションが上がる(曲名は知りません)。
  • ボウディーズ、途中からだけど何とか観られた。若くて勢いがあって良かった。ボーカルはしゃがれ声だけど、MC は普通の好青年て感じ。
  • グレイプバインは最初と最後の曲がプログレでサイケでびっくり。アルバム聴いてみようかと思った。ライブはサポートで入った長田進の存在感がすごくて、完全にバインを喰ってしまっていたような。
  • 物販でクーラシェイカーとミュートマスのTシャツを購入。
  • ミュートマスは苗場にもよく映えていました。相変わらず素晴らしかった。タッパがあってかっこいいなぁ。
  • オレンジまで歩く。ヘブンとオレンジの間の道をアスファルトで舗装した人がベストアクトってことで。
  • ダーティプロジェクターズで久しぶりに人力ポストロックを観た気がした。女性ボーカルのコーラスが心地よい。雨に打たれながら就寝。
  • マグマは1曲目が恐ろしかった。おどろおどろしい曲調に、地獄の底から湧き上がるような奇声。悪夢のような時間。
  • しかしその後からは一変し、オペラ的なスタイルで、統一された美しい世界観を堪能しました。素晴らしかったです。それにしても、あの1曲目は本当に何だったのだろう…。
  • マグマで満足したのと、雨でやられたのとで、大トリを全てブッチして即効で退散。
  • 2日目。
  • らぞくは名前から想起していたイメージと違って、かなり真面目な音楽って感じで正直イマイチ。もっと良い意味でバカっぽいモノと思っていたのですが。
  • ナラシラトパンパイパーズ、去年のレーベンのような、至るところでライブしてる、ソロモン諸島のバンド。とても愉快でとても素晴らしかった。変な笛を吹きながら踊る。「サカモトソング」やりますとかいって、日本の唄もやってた(上を向いて歩こう)。日本語で唄っててちょっと感動した。
  • クーラシェイカーは新譜が超地味で心配だったけど、貫録のステージングだった。相変わらずギター上手い。それまで一言も日本語言わなかったのに、ハッシュでいきなり「イチ、ニ、サン、シ!」とか言ってて笑った。盛り上がった。
  • ジェイミーカラムはグリーンステージなのに本格的なジャズセットで驚く。ピアノを軽やかに弾いていけ好かないと思ってたけど、実際いい人で認識を改めました。ライブも熱くて良かったです。反省。
  • トロンボーンショーティは今年のベストアクト! ジャズでファンクで勢いのある楽曲に興奮し、中盤のマーヴィンゲイのカバーで一気に持っていかれました。速い曲には熱さがあって、スローな曲には色気があって、素晴らしい。超熱狂した。
  • アバロンでナラシラトパンパイパーズをチラ見(2回目)。同じセットだったけど相変わらず良かった。ホワイトへ移動。
  • ザックのバンドは音のバランスが悪かったような気がする。せっかくのジョンセオドアのドラミングが消えてしまったような…。個人的にはかなり苦行に近い時間で、途中で退散。
  • アバロンで雨に撃たれながらクリスチャンバンダー(マグマのリーダー)。崇高なピアノ弾き語りでとても良かったけど、合羽から雨が侵入したりチャックが噛んでしまったりで色々と格闘してて集中出来なかった。残念。
  • 苗場食堂でワンショットを見る。これもマグマのメンバーによるバンド。こちらはかなり硬派なプログレ変拍子入りまくりでとても良かった。結果、マグマ関連のライブをコンプリートする。
  • この日も雨にやられた。合羽を着てるのに、肩がびしょ濡れになってしまう謎。
  • 3日目。
  • オアシスで飯を食いながらアジカンを漏れ聴く。選曲がかなりベストな感じで良かったのではないでしょうか。朝は知ってる曲を何も考えずに聴いて、目を覚ますに限ります。
  • オーシャンカラーシーンの前に、ビートルズアビーロードがまんまかかってて笑った。OCS はビートルズだよなやっぱり。
  • そして貫録のステージングでした。相変わらずギターのスティーブは自由すぎる。ボーカルのサイモンがギターで底支えする状況とか笑えてしょうがない。良かった。
  • アバロンで寝てたら、何とか言うネパールの人のライブ(名前読めないごめん…)。始まる前の、アバロンの進行役の人のネパールトークで時間が押してた。結構良い雰囲気だったのに、最後まで観られなかった…。
  • オレンジでマラカンを観る。スペインの自治州、アラゴンのバンド。去年のエスネベルーサみたいな感じか。結構ゴリッとした強めのスカパンクだけど、時折バグパイプ等の民族楽器をプピープピーと吹いたりしてて面白かった。とても力強く、かなり盛り上がる。準ベストアクト。
  • 引き続きオレンジにて、守屋純子とビッグバンドを見る。ジャズを聴くと何だか和むのは、最近ジャズのライブの方によく行っていたからでしょうか。分かりやすい選曲と展開で楽しかった。パーカッションの人、見覚えがあるなと思ったら ROVO の岡部さんだったり。
  • グリーンまで歩いてブンブンを最後の数曲観る。良い意味でバカな盛り上げ方をしてる曲は良かったと思います。力あるのだから、最後の曲みたく小難しい展開は個人的にいらないです。
  • 鉄腕アトムは、フリーさんが暴れん坊将軍と化した3、4曲くらいは素晴らしい曲がありました。他はそうでもなかったけど、グリーンで複雑なリズムをちゃんと聴かせるのは良いと思った。あとジョイディビジョンのカバーを待ってたのに、やらなくて落胆する。
  • 入場規制を心配して、即効でホワイトの先に抜ける。ヘブンでモーを観たり、アバロンで飯を喰らったり。
  • アバロンの大トリに出てた「Deep Cover」って誰だったんだろう…。ベタベタなエレクトロファンクで結構楽しかったのですが。
  • ベルセバは大所帯なのに軽やかでちっとも迫力のない、のどかなライブでまったり楽しみました。最後が尻すぼみな感じで終わってしまい、それもまたベルセバらしいかと思う。「Another Sunny Day」をやってくれなかったのは残念でしたが、だいたい良かった。ふわふわした気分のまま、終了。
  • 帰り際にまた雨にやられた。だから何故、肩がびしょ濡れになるの…。
  • 以上です。今回は全体的にまったり楽しみました。また来年?

[Book] 読書メーター2010年6月分まとめ

先月分のまとめです(忘れてた…)。迷宮街が終わったので、ラノベニャル子さんしか読んでいない状態になりました。正直間違っていると思う。
6月の読書メーター

読んだ本の数:12冊

読んだページ数:3927ページ



伊藤計劃記録伊藤計劃記録

短篇・インタビュー・サイトの映画評などの詰め合わせ。短篇は長篇の試作品という感じですが、エグいところだけ凝縮したような味わいで、非常に良かった。書き出しのみで未完に終わった「屍者の帝国」も、ドラキュラ紀元みたいで面白そうだっただけに、本当に残念です。また映画評は「映画を観てもらう」ための紹介として書かれており、映画の見方、楽しみ方に対する洞察の深さや面白さに感心し、実際に観てみたくなるような内容で素晴らしかった。「あの映画を観たら、彼はどう思っただろうか」と、つい考えてしまう。

読了日:06月03日 著者:伊藤計劃



迷宮街クロニクル4 青空のもと 道は別れ (GA文庫)迷宮街クロニクル4 青空のもと 道は別れ (GA文庫)

和風ウィザードリィ群像劇、完結。ゴンドラ設置イベントで、パーティーが解体・再構成されたことで、各人の個性がぶつかり合う形となり、今までよりも抜群に面白かった。とはいえこれは、前巻までに迷宮(街)世界の緻密な描写を重ねたり、人物の心理を丁寧かつねっとりと描いてきた結果のたまものであり、全体通して素晴らしいシリーズであったと思います。迷宮街があり続ける限り、お話は無限に広がるような気がする。今後の展開があるかは不明ですが、まだまだ読んでみたいです。

読了日:06月05日 著者:林 亮介



不思議の国のアリス (角川文庫)不思議の国のアリス (角川文庫)

アリス・イン・ワンダーランドを観たのをきっかけに読んでみました。映画は不思議の続編扱いですが、映画に出てきたシーンが色々あって、クスリクスリと面白かったです(先に読んでおけばよかったな…)。首長アリスと、海産物系のキャラがとりわけ印象に残ったので、映画にも出てきて欲しかったなと思いました。河合氏の翻訳は、普通に読みやすい上に、詩の韻を「日本語で」踏むように訳しており、大変な労作だと思います。

読了日:06月06日 著者:ルイス・キャロル



鏡の国のアリス (角川文庫)鏡の国のアリス (角川文庫)

不思議に続いて読了。チェス盤をモチーフにしたお話の展開がとても面白かったです(細かいところは解説を読んで分かったのですが)。名前に対する問答がとりわけ興味深く、お話にも深い味わいがあったような気がする。翻訳は前作よりさらに力が入ってて、頭字語まで再現してるのには驚きました。

読了日:06月06日 著者:ルイス・キャロル



犬神家の一族 (角川文庫 - 金田一耕助ファイル)犬神家の一族 (角川文庫 - 金田一耕助ファイル)

初横溝でした。シンプルで意外と読みやすく、普通に面白かったです。真相も含めてとにかく普通で分かりやすい感じでしたが、それだけ後進に影響を与えた、普遍的な価値を持つ作品であるということも言えるでしょうか(結構ツッコミどころはあるけど)。雰囲気はおどろおどろしいというよりは、妙に演技っぽくパキパキした感じで、どこか滑稽でもありました。語り口が講談のような三人称だったからかなぁ。特定の人物に感情移入するというより、終始、観客の側から各人の立ち回りを眺めるように読了。これぞ日本の本格ミステリという感じです。

読了日:06月09日 著者:横溝 正史



這いよれ!ニャル子さん 4 (GA文庫)這いよれ!ニャル子さん 4 (GA文庫)

ハス太くん、男の娘すぎる。というのはおいといて、過去作よりもかなり開き直った感がありました。すなわち、これまでかろうじて存在していた大きな展開や次巻への引きも無くなり、クトゥルフ関連のくだらないシャレや小ネタの類を、思いつく限りこれでもかと詰め込み、ひたすら並べただけのブルータルな代物へと変貌。素晴らしい。「聖☆おにいさん」の逝きつく果てを見たような気分になりました。もっとやって欲しい。

読了日:06月11日 著者:逢空 万太



下山事件(シモヤマ・ケース) (新潮文庫)下山事件(シモヤマ・ケース) (新潮文庫)

森達也節全開のジメジメとした面白さでした。下山事件の真相にジャーナリスティックに迫ることなく、いや取材は進めるのですが、その過程で色々と思い悩んだり、協力者と揉めたり、ちっとも前に進まないこのもどかしさ。一人称視点ということもあり、解説で佐野眞一が言うように、正に「メイキングビデオ」状態で、そこにこそ、この本の面白さはあると思った。真実を求めて読んではいけない。モヤモヤとした読後感の中で、何ともすっきりしない気分になる作品。だけどその気分こそが、作者にとっての真実であるようにも思う。

読了日:06月15日 著者:森 達也



妖異暗躍譚2 紅梅の残月 Replay:天下繚乱RPG (integral)妖異暗躍譚2 紅梅の残月 Replay:天下繚乱RPG (integral)

終盤はとても分かりやすい展開でしたが、敵側の動きが利害関係や思想の違いも含めて結構複雑な気がして面白かったです(フラグ解説があっても良かったような)。三輪さんのシナリオは、オーソドックスながらしっかり作りこまれてて、安定感があると思う。戦闘がダイジェストっぽくあっさりしているのは賛否ありそうですが、個人的にはムダを省いている印象で好感です。個性豊かなキャラ(プレイヤーも…)が全部持っていってしまうのも、それはそれで。しかし実際にプレイするとなると、みんな異邦人やりたがりそうですな。

読了日:06月18日 著者:小太刀 右京,三輪 清宗



滝山コミューン一九七四 (講談社文庫)滝山コミューン一九七四 (講談社文庫)

とても息苦しくて面白かったです。団地内小学校で推し進められる、民主集中制・集団教育・班競争に対して、個人的に非常に強い拒否反応が出ました。同じような経歴を歩んできた人間として、原少年に過剰に感情移入してしまったのだろうか。私自身はこんな強烈な境遇ではなかったけど、集団の不気味さと孤独感、また一方では、集団への帰属に対して心地よさを感じてしまうところなど、とても身につまされるものがあった。文体が落ち着いているのに内容が執拗な恨み節なので、異様な迫力も感じました。終盤の林間学校と追求には、恐怖すら覚える。

読了日:06月23日 著者:原 武史



ダブルクロスThe 3rd Edition リプレイ・クロニクル  彷徨のグングニル (富士見ドラゴン・ブック)ダブルクロスThe 3rd Edition リプレイ・クロニクル 彷徨のグングニル (富士見ドラゴン・ブック)

1st、2nd、3rd でのリプレイ1本ずつ。最初の2本は昔の作品であり、いずれも紹介を兼ねた無難な出来でしたが、最後の1本は変則的で面白かったです。2人の PC のうち、黒須左京の過去に触れつつ、悪役に針を振り切った暗い内容。いつもと違った敵も、たまには面白いかなと思いました。みんな好きに楽しくやってるなーという感じ。全体的な満足度はそれほど高くなかったけど、しのとうこ氏の絵がたくさん拝めたのでよしとします。

読了日:06月24日 著者:矢野 俊策/F.E.A.R.



日経ビジネス Associe (アソシエ) 2010年 4/20号 [雑誌]日経ビジネス Associe (アソシエ) 2010年 4/20号 [雑誌]

文房具好きなもので、文具特集は面白かったです。手帳特集は活用法を押し付けるエゴ的紹介に辟易しましたが、文房具はこちらがいかに上手く活用するかに力点が置かれている感じの紹介の仕方って感じで、良特集だと思った。個人的にデジタルツールを全然使ってないので、そこも興味深かったかな。あと、別の特集「台所のダンドリ学」もかなり参考にしてます。

読了日:06月27日 著者:



アルシャードffリプレイ オーディンの槍 (ファミ通文庫)アルシャードffリプレイ オーディンの槍 (ファミ通文庫)

いつものきくたけワールド(世界の危機的クライマックスの連発とか、ラブコメとか、爆笑とか)に、アルシャードが蹂躙されて井上さんが悲鳴を上げるのが面白かったです(逆襲もあったりしてな)。プレイヤーの暴走がすごくてとにかく笑えたけど、後には何も残らない内容でした。ff で初めて出たリプレイが別システムネタ(柊蓮司)っていうのは正直どうかと思う。

読了日:06月27日 著者:菊池 たけし,F.E.A.R.


読書メーター

[Warai] 快楽亭ブラック独演会 / お江戸日本橋亭

久しぶりに、快楽亭ブラック師匠の落語を見に行きました。たぶん半年ぶりくらい。
今回の内容は、名古屋の大須演芸場にて、今月の上席に出演した際にやった落語と、最後にそこで「出来なかった」落語をやられておりました。どれもブラックでキツめな要素は少なく、純粋に落語を楽しめる内容であったと思います(もちろんキツいのも好きですが)。
「転失気」「押しくら(三人旅)」「山崎屋」「道具屋:松竹篇」というおしながき。道具屋以外は初めて見ました。
「転失気」は、枕の大須話が盛り上がりすぎて、本題があっさり終わった感じでしたが普通に良かったです。サゲがちょっと違う感じで面白かった。
「押しくら」は枕で方言の話を振って(「へのこ」とか。まあ下ネタです)、本題では女中が方言を早口でまくしたてるところが面白かったです。1回目は少し苦労してたけど、2回目は見事に決めておられました。普通の世間話っぽいダラダラとした会話こそが面白くて、ずっとニコニコしながら見ていた。
「山崎屋」は、吉原の花魁と若旦那をくっつける話なのですが、枕で吉原についてちゃんと説明しておかないと、サゲが理解できないお話なのです。単なる説明ではなく、そこは風俗ライターの肩書きも持つ師匠のことですから、面白く話しておられました。本題は、特に前半の企みに関するやり取りが面白かったです。
最後の「道具屋」「松竹篇」と銘打たれている理由は、登場人物が松竹映画の人たちになっているからなのです。甥っ子に道具屋をやらせる叔父さんが笠智衆だったり、道具屋にやって来る客が釣りバカの二人とか、君の名はとかだったり。尚、最初の DVD 『非国民』の一番最初に収録されてて、噺の脱線部分(甥っ子が映画狂で脚本を書いていて、その内容を叔父さんに話すところとか、怒りっぽい客が思いっきり師匠の私憤をまくし立てるところとか)のあまりの過激さにひっくり返ってしまうこと請け合い。私はここから、師匠の落語にハマっていくのですが、さておき。いつもと違った脱線部分だけでなく、全体的にも面白かったです。大須で出来なかった理由はここで明かされておりました。
尚、今回の私憤の内容については、師匠のブログをご覧下さい。→ 快楽亭ブラック 〜 映画・芝居・競馬ときどき落語 10年6月7日
以上です。日本橋亭は畳に座れるので楽です。浅草木馬亭は椅子が痛くて…。
また行きたいと思います。

[Book] 読書メーター2010年5月分まとめ

先月分のまとめです。量は少ないけど、いいものを読みました。これまでみたいに時系列ではなく、続き物に合わせて順番を並び替えております。
5月の読書メーター

読んだ本の数:10冊

読んだページ数:2576ページ



夏への扉[新訳版]夏への扉[新訳版]

旧訳は未読。評判通り面白かったです。各所にちりばめられた「しかけ」が最後、きれいに収斂していく様が心地よく、ミステリ的な側面で感動がありました。これに影響を受けた作品は多いのだろうなという感じ。女性キャストの両極端な性格付けなどがちょっと気になりましたが、全体的には、美しい終わり方も含めたシンプルな物語を味わえたので良かったです。訳も軽妙な感じで読み易くていいと思います。

読了日:05月13日 著者:ロバート・A・ハインライン



メタルギア ソリッド ガンズ オブ ザ パトリオット (角川文庫)メタルギア ソリッド ガンズ オブ ザ パトリオット (角川文庫)

伊藤計劃。ゲームは過去作も含めて未プレイ(事前に粗筋を抑えておいた程度)という状態で読みましたが、濃密な内容でクラクラするくらい面白かった。過去のエピソードや設定も含めて、細部までびっちりと書き込みつつ、力業で最後まで読ませます。乾きと湿り気の間を行ったり来たりする文体もいい。時折、視点がオタコンからブレるのに戸惑いましたが、全体的には濃厚な文章と物語をたっぷりと堪能しました。作品は作者の境遇と別けて考えるべきと思いつつも、感傷的にならざるを得ない終盤の展開に、心が震える。

読了日:05月19日 著者:伊藤 計劃



虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)

登場人物の語り口や、細部まで書き込まれた濃密な文章を堪能しました。湿り気を帯びつつも安易に感傷に走らない文体が、主人公の置かれた境遇を象徴している気がする。物語を楽しむというより、読み進める瞬間ごとに文章の端々から直接的な快楽が感じられ、さらにその瞬間が繰り返し繰り返しやってくるという、異様に中毒性の高い文章を味わう小説ではないかと思った。面白さの尺度は色々ありますが、「いつまでも読み終わりたくない」と思える素晴らしい作品でした。ずっとこの中に浸っていたい。浸っていたかったよ。

読了日:05月28日 著者:伊藤計劃



ハーモニー (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)ハーモニー (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)

面白かったです。思春期の自殺願望を持つ少女像というのは結構見かける気がするけど、そこの雰囲気だけを描くのではなく、管理社会、脳、意識といった SF 的な設定に落とし込むことで、しっかりと突き詰めて描こうとしていると思いました(出発点がそもそも違うということか)。中盤以降の怒濤の展開に興奮し、ラストには震えが止まらなくなる。虐殺器官よりも一本芯が通った感じですっきりまとまっており、小説家として理想的な進化を遂げているのではないかと思った。それだけにここで途切れてしまったことが、ただただ残念でなりません。

読了日:05月29日 著者:伊藤 計劃



3月のライオン (1) (ジェッツコミックス)3月のライオン (1) (ジェッツコミックス)

主人公の繊細さとそれを包み込む周囲の優しさ。将棋は味付け程度って感じ。心情が表れているかのような風景の描写が素晴らしいです。作者のマンガは初読なので、登場人物の背景や関係の変化にどこまで深く切り込むのか、興味を持ちながら続きも読みたい。

読了日:05月09日 著者:羽海野 チカ



3月のライオン 2 (ジェッツコミックス)3月のライオン 2 (ジェッツコミックス)

若さ故の悩みなどを丁寧に描きつつも、語り口はあっさり目でやさしい感じ。主人公を中心として、人物の背景を伏線ぽく色々と張っている様子なので、今後の展開が楽しみです。あと、個性的な対戦相手も良いと思います。

読了日:05月22日 著者:羽海野 チカ



聖☆おにいさん(1) (モーニングKC)聖☆おにいさん(1) (モーニングKC)

小ネタ大ネタが目一杯詰め込まれてて、本当に面白い。ウキウキしながらネタ出しして、楽しそうに描いてる感じがします。

読了日:05月08日 著者:中村 光



聖☆おにいさん (2) (モーニングKC)聖☆おにいさん (2) (モーニングKC)

この巻辺りまでのギャグは神がかってます。まあ神様なんだけど。

読了日:05月08日 著者:中村 光



聖☆おにいさん(3) (モーニングKC)聖☆おにいさん(3) (モーニングKC)

大天使とか梵天の登場にはちょっとついていけなかったけど、旅行や運動会という展開も含めて、新しい方向性を模索しつつあるという感じでしょうか。

読了日:05月08日 著者:中村 光



聖☆おにいさん(4) (モーニングKC)聖☆おにいさん(4) (モーニングKC)

ネタのマニアック化が進行し、知識不足の私は若干ついていけなくなってきましたが、一方でキャラの面白さで読ませる方向にシフトしていっているような。ネトゲの話が秀逸。

読了日:05月23日 著者:中村 光



読書メーター

[Book] 読書メーター2010年4月分まとめ

先月分のまとめです。リプレイばっか。
4月の読書メーター

読んだ本の数:13冊

読んだページ数:4190ページ



ダブルクロス The 3rd Edition リプレイ・デザイア(1)  星影の魔都 (富士見ドラゴン・ブック)ダブルクロス The 3rd Edition リプレイ・デザイア(1) 星影の魔都 (富士見ドラゴン・ブック)

全員が FH という立場を存分に活かし、悪のヒーローとしての立ち位置を見事に演じていて素晴らしかった。ミユキのクールな内に潜む熱さ、朱香の無邪気さ(「無」垢で「邪」悪な「気」違い)、晃士朗のまさに DX 的な厨二病キャラ、最強スキーなのになぜか腰が引けている九鬼と、性格も個性的ですし、各々の関係も面白いです。シナリオの造りがオーソドックスなだけに、余計それらが際立っていたように感じました。メンツの勝利かな。今後はこの、微笑ましくも歪んだ性格と関係性をどこまで揺さぶれるか注目したい。傑作シリーズの予感。

読了日:04月01日 著者:F.E.A.R.,加納 正顕



ダブルクロス The 3rd Edition リプレイジェネシス(3) 断罪のジャスティス (富士見ドラゴン・ブック)ダブルクロス The 3rd Edition リプレイジェネシス(3) 断罪のジャスティス (富士見ドラゴン・ブック)

神月先生だけでこの本の読み物としての価値が保たれているのではないか、というくらい素晴らしいキャラですが、一方でシナリオが微妙すぎると思う。ヤギトラの珍妙な導入は、流石に釣りネタだよな…。戦闘のシチュエーションやデータ面での工夫は色々と見られるので、そこを自分達のプレイの参考にするようにします。

読了日:04月03日 著者:F.E.A.R.,伊藤 和幸



シノビガミリプレイ シノビガミ参 るつぼ奇譚 (Role&Roll Books) (Role & Roll Books)シノビガミリプレイ シノビガミ参 るつぼ奇譚 (Role&Roll Books) (Role & Roll Books)

エニグマについては少し慣れないと難しそうですが、ボスを上手く PC 間の対立軸の中にぶち込んだら面白いシナリオが出来そうな予感がします。そしてリプレイは今回も非常に良かったです。ルツボ祭りな導入から、中盤以降の急展開と(急になってしまったというべきか)、最後まで面白かった。まさに「迷作」。あと、相変わらず欄外の小ネタがいちいちツボです。ルツボだけに(うわー)。

読了日:04月05日 著者:河嶋 陶一朗,冒険企画局



ホラーアクションRPG ハンターズ・ムーン(Role&Roll Books) (Role & Roll Books)ホラーアクションRPG ハンターズ・ムーン(Role&Roll Books) (Role & Roll Books)

いきなり(ほぼ)全滅の地獄絵図な展開に大興奮、だけでなく、全体のホラーテイストや殺伐とした描写も良かったです。昨今の TRPG はマスターもプレイヤーも皆で協力してドラマティックなお話を作っていくものとして進化してきた気がするのですが、マスター対プレイヤーの全力ガチバトルのみという、真逆の形式を採りつつも尚、ドラマティックなゲームであろうとするこの本の姿勢には驚嘆するばかりです。でも多分、GM がサディストなだけだと思います。L&R の迷宮デイズリプレイとかもうね…。

読了日:04月06日 著者:齋藤 高吉,冒険企画局



トーキョーN◎VA The Detonation リプレイ ヴァニティ・エンジェル (ログインテーブルトークRPGシリーズ)トーキョーN◎VA The Detonation リプレイ ヴァニティ・エンジェル (ログインテーブルトークRPGシリーズ)

今回はアストラルとかアヤカシとか。シナリオの構造が段階的に深くて素晴らしい(自分が作ると情報が並列に配置しがちなので)ことと、各キャストの設定・データ・ロールプレイ全てに渡って高レベルで、終始、舌を巻きっぱなしでした。本当に面白かった。

読了日:04月09日 著者:稲葉 義明



旅する大樹とかわいい剣―Replay:りゅうたま (integral)旅する大樹とかわいい剣―Replay:りゅうたま (integral)

ほのぼのファンタジーでのんびりした雰囲気。キャラ立てもシナリオもこのオーソドックスな感じが逆に今はない新鮮さであります。みんな楽しそうにやっていて、何だか微笑ましい。バルフェンのシブい台詞をみんなではやし立てたりとか。あとマスターの即興演出がすごく良かった。ファンタジックチャーハンとか、11やんごととか、参考にしたい(するのか)。

読了日:04月19日 著者:岡田 篤宏,テーブルトークカフェDaydream



旅する大樹とミスリルの姫君―Replay:りゅうたま (integral)旅する大樹とミスリルの姫君―Replay:りゅうたま (integral)

ほのぼのリプレイ第2弾。卓を囲む緩やかな、かといって馴れ合いとも違う空気が、とても良いです。ゆるふわだけど要所は締めるマスタリングも上手い。パーティが6人と大所帯の上、展開によっては放置気味のメンバーもいるのですが、例え舞台裏に居ても、プレイヤーがお話にのめり込んでいて、皆でお話を作ろうって雰囲気がにじみ出ているのが素晴らしいと思う。クライマックスは映画のような疾走感で大変に盛り上がり、奇跡のようなダイス目も相まって、かなり感動しました。

読了日:04月21日 著者:岡田 篤宏,テーブルトークカフェDaydream



旅する大樹とあるく赤い砂漠―Replay:りゅうたま (integral)旅する大樹とあるく赤い砂漠―Replay:りゅうたま (integral)

3巻はベタで熱いお話を2篇収録。ひとつめのティグレ話はいつもの感じでのほほんと読みましたが、ふたつめのポーレ話は、心の葛藤やそこから派生する対立と合わせて、ずしりと読み応えがありました。最終的にはいい話に収斂させようとする動きはそこかしこに見えるものの、途中のキツい展開にはハラハラ。その分、ラストは開放感に満ち溢れていましたね。それにしても、キャラの「成長」をここまで真正面から描いていくリプレイは珍しいのではないでしょうか。「ほのぼのライトファンタジー」の一言では片付けられない魅力を感じます。

読了日:04月22日 著者:岡田 篤宏,テーブルトークカフェDaydream



旅する大樹とこわれた世界―Replay:りゅうたま (integral)旅する大樹とこわれた世界―Replay:りゅうたま (integral)

完結。最終巻の二話は、これまでの話をまとめにかかりつつ、非常に厳しい戦闘や高難度の地形・天候に挑むなど、意外と数値やデータに重きを置いたシナリオだったと思います。エンディングのさわやかな雰囲気も、この過酷な試練を乗り越えたからこそ出てくるものなのでありましょう。このゲーム、単純に旅してても面白いと思いますが、各人の「旅の目的」と真摯に向き合っていくことが、より深く楽しむポイントかなと思いました。各キャラ全員素晴らしかったですが、MVP はやはりメルかな。このロールプレイで高校生とは…、おそろしい子!

読了日:04月24日 著者:岡田 篤宏,テーブルトークカフェDaydream



妖異暗躍譚1 白梅の鮮華 Replay:天下繚乱RPG (integral)妖異暗躍譚1 白梅の鮮華 Replay:天下繚乱RPG (integral)

時代劇に伝奇やら色々詰め込んだ世界で、英傑が活躍するリプレイ。定番の展開ばかりですが、時代劇なので逆にそのお約束を楽しむような感じです。マスターの雑魚ロールプレイとか、すがのさんのぶっちゃけプレイとか笑える。そして何と言っても、鋼屋ジン氏のホームズがぶっ飛んでます。まあ異邦人は元々インパクト強い気もしますけど。世界観が開放的で間口も広く面白そうなので、ルールブック買ってみようかと思います。SRS ですし、手軽に遊べそう。

読了日:04月26日 著者:原作:小太刀 右京,著:三輪 清宗



ユエル・サーガ・リプレイ(1) かくて宿命は刻まれた (富士見ドラゴン・ブック)ユエル・サーガ・リプレイ(1) かくて宿命は刻まれた (富士見ドラゴン・ブック)

ガープス懐かしい。ゼロ年代半ばに出たリプレイですが、悪い意味で古さを感じます。逆に、昨今のリプレイがいかに「読み物」として揉まれてきているかということを強く感じました。友野的な独特の世界観はやはり良いですし、卓を囲む楽しそうな雰囲気「だけ」は伝わってきますが、商業リプレイでこんなくだらない内輪の盛り上がりに終始する本は出して欲しくなかったです…。昔のルナルとかはもっと面白かった記憶があるんだけどなあ。

読了日:04月28日 著者:友野 詳,グループSNE



ユエル・サーガ・リプレイ(2) かくて秘密は語られた (富士見ドラゴンブック)ユエル・サーガ・リプレイ(2) かくて秘密は語られた (富士見ドラゴンブック)

前巻があまりにキツかったので、読み物として楽しむことを諦め、シナリオソース収集モードにシフトチェンジして読了しました。彷徨いの月とか銀の月の種族に不思議なグロさがあって良いです。ルナルにもこういうところに惹かれたことを思い出して、懐かしい気分になりました。銀の月の力で、PC に容赦なく変な特徴を付与するところとかも面白いです。ロールプレイ、シナリオ、マスタリング、システム等、ほとんどの要素に全く魅力が感じられないので、リプレイとしては前巻と同様に微妙すぎますけど。

読了日:04月29日 著者:友野 詳,グループSNE



ユエル・サーガ・リプレイ〈3〉かくて未来は開かれた (富士見ドラゴンブック)ユエル・サーガ・リプレイ〈3〉かくて未来は開かれた (富士見ドラゴンブック)

完結。最終巻は特に設定的な面白さも少なく、読みどころは皆無な感じでした。つまらないギャグの連発で話の流れが途切れまくって分かりにくすぎることや、大量に登場する NPC がキャラ立てされてなくて全く区別が付かない(せめて人物紹介くらいは載せるべきでは…)など、とにかく異様に読みづらかった。話の内容はともかく、そこだけは読み物として最低限、何とかして欲しかったです。残念。

読了日:04月30日 著者:友野 詳,グループSNE



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